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アナログとデジタルの隘路に

出版業界(の片隅)の人です。主に(紙の)書籍と電子書籍、および興味のあるデジタル周りについて書きます。twitterアカウント @haru_taroh

【行った】津田大介×猪瀬直樹対談「ソーシャルメディアは世の中を変えるのか?」

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『動員の革命 ソーシャルメディアは何を変えたのか』刊行記念対談

津田大介×猪瀬直樹ソーシャルメディアは世の中を変えるのか?

 

 

 

先日このトークイベントに行ってきました。

つい最近も同じ会場で津田氏と東浩紀氏との対談が催され、そちらも直接観覧したのですが、今や言論界を代表するお二人の対談は超絶的に面白く、大変満足するイベントでした。

そして、今回は東京都副知事でtwitterでの発言も活発な猪瀬直樹氏との対談ということで、大きな期待を持って参加いたしました。

ところが…開演の18:30になっても登壇しているのは津田さん一人。猪瀬氏は公務の関係(後から事故渋滞が原因と猪瀬氏説明)で遅れるとのこと。なんと、上記前回のイベントの際も、対談相手の東さんが20分ほど遅刻し ており、「こ、これはデジャビュ…」とハプニング含みのスタートとなりました。

そうは言っても、その待ち時間の独演の間に、津田さんが議論の方向性を整理してくれたお陰で、その後の対談がスムーズに聞くこともできたし、進行にも良い影響を与えたように感じました。

さて、10分ほどして猪瀬氏も無事登壇。約1時間半の対談はソーシャルメディアを議論の中心に据えながら、大体3つのテーマに収斂されました。以下箇条書きながらそのまとめです。

 

猪瀬氏とツイッター
  • ホームページとメルマガを始めたのは早かったが、ツイッターを始めたきっかけは、道路公団民営化の2年前の3月、tsudaるという言葉を聞いたのがきっかけ(これは津田さんのリップサービス?)
  • ツイッターを強く意識したのは震災直後、地下鉄の運行状況のツイートが1万RT を超えた時
  • 決定的だったのは気仙沼の被災救助要請のメンション
  • そのメンションとは、被災者がロンドンにいる息子さんにメールでSOS発信、その息子さんがツイッターで、猪瀬氏に救助要請したというもの
  • ツイッターは非常時に強いが普段から使っていないと非常時にも使えない
  • 最初はツッターはよくわからなかったが震災でよく理解できた
  • 震災時はデマも横行したが、見抜き方がある。デマではないツイートには品性がある。具体的には5W1hがしっかりしている
  •  ツイッターは本の帯のようなもの
  • 出版社は新聞に広告を出してくれるがそれだけ。ツイッターは本を読んで貰うきっかけになる
  • 今まで読んでくれなかた人に届くようになった
  •  感想をせっかく書いてもらうのは有難いのでRT、一人RTすると他の人に悪いので全員をRTしてしまう(会場爆笑) 

  

ツイッターとコミュニケーションルスキル
  • ツイッターは英語に向いていない。
  • 漢字文化圏では140文字で大くのことを伝えられる
  • 日本には短歌俳句の伝統がある一日本語はツイッターに向いている
  • (津田) ネットではだらだら書きがちだが、ツイッター上では140字に納める努力をする。結果文章がソリッドになる
  • もの書きは削ることが勝負、ツイッターには文字数という制限があるので良い訓練になる。
  • ツイッター上でも相手側の前提をふまえてリプライすること、相手との対話・聞くことが重要
  • (津田)140字という制限があるため、細かいニュアンスが伝わらないことが対話に発展することもある
  • ツイッターでも文章語を逸脱しない方が良い。擬音を使わない方が良い
  • 立ち読みするくらいなら、少しでも面白いと思ったらすぐに買え。本はすぐ店頭から消えてしまう
  • 買った本は10分だけ読めばいい。全部読む必要はない
  • その10分だけ読むという行為が知識のピン留めとなる。後から、ふとその本が必要になった時に、そのピン留めが活きてたどり着くことができる(会場感心)
  • (津田)誤配情報が混じっているのがツイッター。書店にくることに似ている

 

霞ケ関文学との戦い

(参考URL:

http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2010/03/post_49.html


  • (津田氏)審議会のメンバーだった時の経験。参加者が大挙して欠席したので、その事実をツイート
  • 審議会は基本的に非公開だったが、道路公団民営化のときは公開にした
  • 情報を持っている者が勝つ。霞ケ関に情報が集まるようになっている
  • 最近は情報の公開化は進んでいる
  • 官僚と戦うスキルを身につけなければいけない
  • (津田)新しい政策メディアでは露ヶ関文学の読みときを目指したい
  • 日本人はなかなか根拠を示さないが、ツイッターでも根拠を示すものは説得力がある。制約がある中で鍛えられる。
  • 小泉元首相がツイッターをやっていればぴったりはまったと思う
  • (津田)「ワンフレーズポリティクス」と言われたが、言葉のわかりやすさは重要

 

東氏との対談の際も感じましたが、津田氏メインのイベントにも関わらず、津田氏からはファシリテーターの役割に徹しよう、という意図が感じられました。結果として、猪瀬氏の主張をするすると追っていくことができ、大変話の流れがつかみやすいという印象を持ちました。(上記まとめが要領を得ない場合は、全て私の責任です)

『情報の呼吸法』『動員の革命』と「自ら発信すること」の重要性を主張する著作を立て続けに出版した津田氏ですが、相手の意見を「引きだす」ことも発信という行為の一種だと感じたイベントでした。

 

過去の関連エントリ

『情報の呼吸法』刊行記念トークイベントに行ってきました!