アナログとデジタルの隘路に

出版業界(の片隅)の人です。主に(紙の)書籍と電子書籍、および興味のあるデジタル周りについて書きます。twitterアカウント @haru_taroh

映画「マネーボール」をitunesでゲット。そして原作『マネーボール』への思い…

 Cover Art

 マネーボール (字幕版)

ベネット・ミラー

ドラマ

リリース: 2011

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237 件の評価

ようやくitunesで購入した「マネーボール」を視聴。

公開時には劇場でも観たのですが、じっくり見直すことで新たな発見があったりして、レンタルではなく購入して正解でした。

期待されたオスカーにはかすりもしませんでしたが、ブラッド・ピットの悲哀の内に感動を喚起する好演も印象的、名作という評価に十分値する作品です。

この「マネーボール」、同名の原作はあまりに有名なスポーツノンフィクションであり、現在の野球の戦術に多大な影響を与え続けていることは今さら言うまでもありません。

また、作者マイケル・ルイスの筆力、主人公ビリー・ビーンの人生のドラマ性、「セイバーメトリクス」がもたらす知的興奮、読みどころは数知れず、作品としても高い評価を得ています。

そして、個人的にも『マネーボール』には、本当に大きな影響を与えられています。

そもそも『マネーボール』との出会いもに因縁がありまして、とある経緯で出版前の「サンプル版」を手に入れて読むことができたのです。

この初読の際の衝撃は本当に忘れられません。これを超える読書体験は他に1、2回あるかどうか。

そんな好機に恵まれた事情もあり、筆者は「日本における『マネーボール』ファン(ほぼ)第一号」と勝手に自認しています。

 

以下がそのサンプル版。

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 一見すると単行本のカバー取っただけ、みないな感じですが裏表紙はこんな。

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年季が入っているのがおわかりいただけますでしょうか。思えば、ランダムハウス講談社(現:武田ランダムハウスジャパン)の出版物第一弾でもありましたね。

 

さらに、どれだけ筆者が 『マネーボール』に思い入れがあるかもう一つの証拠。

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詳細省きますが、色々な事情があり読売新聞で『マネーボール』についての思いのたけを語る機会に恵まれました。

さすが新聞記者の方は、取りとめのない筆者のしゃべりをうまくまとめてくれましたww

ここで語っている通り、『マネーボール』は本当に人生観を変えたくれた作品です。

今でも、折に触れては読み返し、そのたびに勇気をもらったり、新たな示唆を得たりしています。

ここ数シーズン、アスレチックスとビリー・ビーンはかつての輝きを失いつつありますが、たとえこのまま栄光をを取り戻さなかったとしても(もちろん、実は現在新たな理論の試行期間であり、再び躍進するというような展開を望んでいますが)、ビリー・ビーンが成し遂げたことは全く色褪せないし、何よりも『マネーボール』という作品を通じて与えたメッセージの価値は不朽と言えるでしょう。