アナログとデジタルの隘路に

出版業界(の片隅)の人です。主に(紙の)書籍と電子書籍、および興味のあるデジタル周りについて書きます。twitterアカウント @haru_taroh

ヨシナガ( @dfnt )さんのメルマガ「ネットの今。」を購読してみた

メルマガが流行っています。しかも有料メルマガ。堀江貴文さん、上杉隆さん、高城剛さんなどは多くの購読者を集めています。管理人も最近、ヨシナガさん(@dfnt)の有料メルマガ「ネットの今。」を購読申込しました。

ヨシナガさんと言えば、webサイト「僕の見た秩序。」が大人気のブロガーであり、Twitterのクラウトスコアでも最高レベル記録する「ネット界のプリンス」(今管理人が勝手に命名しました)。

以前より、管理人もその活動に注目していたので、メルマガ配信開始の報を受けて購読を即決、かなりのアーリーアダプターだと自認しています。

ところで、このメルマガの流行という現象、管理人のような30代後半の世代にとっては大変不思議な感じを受けます。というのもメルマガというプラットフオームは90年代から存在するわけで、「ドッグイヤー」なんていう言葉を持ち出すまでもなく、20年近い年月はネット界ではべらぼうに長い時間。20世紀も10年がゆうに過ぎんとする現在、メディアとしてメルマガが隆盛を見せるというのは、何か「白昼でゾンビを見る」(失礼)ような感覚です。

その現象についての考察は本題とはずれますが、きっと「作者と直接つながりたい」「そのためには料金は発生しても構わない」「むしろお金を払うことで作者の活動を応援したい」という読者の気持ちの表れではないかと思います。従って、ネット上での効率的な個から個への送金システム(軽くワンクリックで100円送金、みたいな)が整備されるまでは、この流行は続くのではないか(逆に言うと、整いさえしたらメルマガというメディアは(ry…)、というのが管理人の見立てです。

閑話休題。

肝心の「ネットの今。」ですが2012年1月20日現在、2号まで発行。

最新の2号では、招待制SNSサービス「Pinterest」の紹介と、その会員招待券を希望者全員にプレゼント、という大変斬新な企画を送ってくれました。

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この「Pinterest」というサービス、とにかくお洒落というかカルチャーというかアートというか。他のSNSと違い、女子比率が高そう。日本語対応はまだまだ先になりそうですが、日本で普及した場合、企業の商品アピールの場として大いに活用されそうな予感。企業の販促という点においては、Facebookではまだまだ限定的な印象がありますから。

なんだか、「Pinterest」の紹介みたいになってしまいましたが、このサービスもヨシナガさんのメルマガで初めて知った情報であり、デジモノ好きの管理人も全くノーマークでした。今後もこのような最先端かつ有益な内容を大いに期待できそうです。

現在、1回の分量と発行頻度を発行を模索中とのこと。管理人の私見では、「週1程度で分量多め」を希望したいところです。

次回はメルマガつながりで

【お気に入りのメルマガをiOs上で電子書籍としてアーカイブする方法】

をエントリする予定です。

超優秀手書きメモアプリ「neu Notes」「neu Notes+」のちょっとしたTips

手書きメモアプリの決定版「neu Notes」「neu Notes+」を大プッシュ!

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管理人は、現在仕事上で、できる限り紙資料を利用しないペーパーレス生活を実践しています。

そこで必須なのがiPadのアプリ群。その中でも特に重宝しているのが、今回紹介する「neu Notes」

無料でかつユニバーサル仕様、その上使い易さ抜群ということでこれはもう落とすしかない、という絶対的おすすめアプリ。管理人は主にミーティング時の議事録・メモ作成目的で頻繁に利用していますが、スケッチ・画像編集としても優秀です。

実は2012年1月17日現在、この「neu Notes」の上位有料版である「neu Notes+」がなんと8割引の85円!(価格は変動します。DL時の価格については自己責任でご確認ください)「期間限定新年特別セール」ということなので、いつまでこの価格かわかりません。是非この機会を逃さず落としてしまいしょう!

この「neu Notes+」、無料版より決定的に優れているのは、後から「エレメント」(キャンパス上に描く文字や図)を操作できること。この機能については、製作者であり、人気ブログ「Life is beautiful」の運営者でもある中島聡さんが、ご自身で解説されていますのでそちらを参照下さい。

  neu.Notes+ 中級編:グループ・エレメント

この機能を利用すれば、手書きにも関わらず、「メモの途中に書き忘れたことがっ!」と思ったときに、サクッと挿入できるわけです。

このアプリの基本操作自体は、UIもわかりやすく大変使いやすいので説明の必要もない(手抜き?)のですが、1点ちょっと苦労したことがありました。

それは「ぴったり水平(垂直)に直線を引く」ということ。具体的に見せると下の画像みたいになるのです。

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もちろん、アンドゥ・リドゥ機能を利用すればある程度は修正できるのですが、それも煩雑。(ちなみに四角形は図形描画機能を使えばきれいに描けます)

でも、しばらく利用するうちに、きっちり水平(垂直)に直線を引く方法を見つけたので、以下その操作のキャプチャです。

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このTipsにより、トピック間に罫線を引いて見やすくしたり、ミーティングをしながら簡単な図面をサクっと引けるようになりました。是非お試しあれ!

『情報の呼吸法』刊行記念トークイベントに行ってきました!

『情報の呼吸法』刊行記念津田大介&大根仁トークイベント」に行ってきました!

ブログわずか3回のエントリ中2回が津田大介氏絡み(前々回のエントリはこちら)とは、なんだかファンブログのようですが(いや、ファンなのは間違いないのですが)、近々仕事関係でご一緒する機会があるので、ご挨拶をかねてトークイベントに行って参りました。

会場はTSUTAYA六本木店さん。

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六本木ヒルズもほど近いお洒落なお店でした。

開演の14時ぎりぎりに駆けつけたところ、既に観客が会場から溢れんばかりの盛況ぶり。ざっと100名ぐらいはいたでしょうか。

対談のお相手は、映画「モテキ」の映画監督の大根仁さん。「モテキ」未見で申し訳ありません。でもお話しは大変面白く、一遍でファンになってしまいました。DVD出たら必ず見ます!(「モテキ」は中森明夫さんが大絶賛していて、大変気にはなっていたのですが見逃してしまいました。「湯けむりスナイパー」のDVDも探してみます!w)

津田さんと大根さんは本日が初対面だとのこと。映画「モテキ」の主人公の職場が「ナタリー」だということは知っていたので、当然津田さんとも面識があり、今回のトークにつながったと思っていたので意外でした。

対談の内容は以下のユーストリームでどうぞ。 

 

togetterにまとめられた方もいらっしゃましたので、こちらもどうぞ。

 

90分飽きさせぬトークの連続でしたが、実は印象に残ったのは、

「今一番いい女が集まるのは品川だ。大手企業がどんどん移ってきて、特にキャノンが美人ぞろい」(大根氏)

「早稲田は即刻女子大にかえるべし」(津田氏)

という発言だったりしますww。

 

トーク終了後はサイン本の手渡し会。

ぶれぶれで申し訳ありませんが、整理券。番号は50番でした。

 

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そして受け取ったサイン本はこちら↓

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手描きのコメントカードというのは、イベントの特典としては珍しいと思いますが、とても手間がかかっているのが伝わり嬉しいものですね。

というわけで、土曜日の昼下がり、お洒落な場所で、大変有意義な時間を過ごせました。

 『情報の呼吸法』も3刷が決まったとのこと、どこまで部数が伸びるか大変楽しみです。

【読んだ】『ケヴィン・ケリー著作選集 1』/フリーなのにこの充実感

 

電子書籍専業出版社の達人出版会発行『ケヴィン・ケリー著作選集1』を読んで、大変得るところが多かったので以下そのご紹介。

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まずは、最大の特徴がフリーだということ。

これは、ビジネス的に無料の値付という戦略をとったいうよりは、オリジナルのブログがCreative Commonsライセンスで公開されている(から有料にはできない)という理由によりますが、一般的な新書並みのクォリティーと分量のあるコンテンツが無料で流通するということは、やはり衝撃的です。

もともと翻訳者の堺屋七左衛門氏がネット上で公開していたものなので、そもそも無料だったといえばそれまでですが、Eコマース上のプラットフォームに有料の商品と同等に展示されることはインパクトが大きい。

従来から、電子書籍業界でも「立ち読み機能」や「第1話(章)無料」(続きが読みたければ買ってね)というマーケティング手法は一般的ですが、それをさらに敷衍させて、プラットフォームそのものの認知度を上げるという目的で投入されたのだと思います。実際、電書業界界隈では大いに話題になっているようですし、十分にマーケティング的には「元が取れた」のではないでしょうか。

あまつさえ管理人も、当書籍と同装丁で紹介コメントに「対象読者:『ケヴィン・ケリー著作選集 1』を読んで楽しめた人」とあった『情報共有の未来』を思わず購入してしまいましたww。


続いては著者のケヴィン・ケリーについて.。

といっても、本書に出会うまでは、不勉強にも聞いたことのない名前。しかしながら、『Wired』誌の元編集長との経歴を見て、発言のクォリティーの高さにも納得。『Wired』といえば、今でも『WIRED.jp』にはデジタル周りの情報収集でお世話になっていますし、紙媒体の雑誌『日本版WIRED』も復活してから欠かさず(といってもまだ2号ですが)購入している身なので、勝手ながらケリー氏にも親近感を抱いてしまいました。

話はそれてしまいますが、休刊前の『日本版WIRED』も「爆笑問題の日本原論」が連載されていて、大変楽しみにしていたのが懐かしい。

いずれにせよ、30代から40代にかけてののデジモノ好き男子の心には、「WIRED」文化がかなりの部分で根付いているのではないかと思いますし、そういう意味で、ケヴィン氏の主張がストンと腑に落ちるのは当然なのかもしれません。


最後に印象に残った部分の紹介。

もちろん、第1章の「無料より優れたもの」や第2章の「千人の忠実なファン」も素晴らしいのですが、管理人は特に第12章の「つながるための技術」に感銘を受けました。

以下管理人なりの要約です。

  • まず、途上国の貧困には、インフラの一極集中が前提条件としてある
  • そこで携帯電話(=「つながるための技術」)を普及させたら、貧困が改善された
  • すなわち携帯電話という「技術」で情報を分散させたことで富が増加した
  • 技術の発展には、多額の補助金は必要ない。なぜなら、携帯電話の購入資金を融資しただけで、豊かになれたのだから
  • すなわち、貧乏人で儲けるのではなく、貧乏人と儲けることができる
  • 技術は「つながり」を増やし、その「つながり」はより生産性を向上させる

インターネットの発明以降、指数関数的に情報技術は進歩し「情報の分散・解放」は進んできました。これからもその歩みが止まることはないでしょう。ということは、この章での主張に則れば、世界は豊かになっていくことが可能だ、ということではないでしょうか。もちろん、途上国が経済成長を遂げるであろうことは織り込み済みでしょうが、富が移動するのではなく「全体的に」豊かになっていく、ということは大きな希望だと感じます。

逆にいうと、途上国ほどのインパクトはないものの、日本だってこれから情報技術(=つながるための技術)の革新の恩恵は受けることができるわけですから、緩やかかもしれないけれど十分に豊かになり続けるチャンスはあるということでしょう。これまでの、「先進国が途上国を搾取する」「新興国が発展し、代わりに先進国が凋落する」という二項対立の見方を払拭することができるというのは、実は大きな価値観の転換ではないでしょうか。

締めに、本章の掉尾を飾る言葉のご紹介。実に味わい深く余韻の残る言葉ですね。

つながりを増やす技術は、役に立つものである可能性が高い。今のところ、そうでない例を一つも思いつかない。

ブログ事始め&津田大介『情報の呼吸法』紹介

ブログを始めようかどうか悩んでいたところに、はてなブログの招待制が外れたとのニュース。

もともとTwitter@booknewsという、はてなダイアリー中心に出版情報を引っ張ってくるアカウントのキュ

レーションが大変参考になっていたので、はてなダイアリーには勝手ながら親しみを覚えていたのです。

年賀状も年明けまで書けないぐらい筆不精な性格を自覚しつつ、いいきっかけと捉え始めることに決めました!

 

職業柄上、生活がかかっているので、書籍と出版業界については甚大な関心を寄せざるを得ません。

よって、主要なテーマはその界隈になるかと思います。

また、現在のトレンドとして業界的には電子書籍は避けて通れない話題ですし、そのつながりで、デバイスや

アプリ等デジタル系の話題にも大いに興味を持っているので、それらのテーマも地道に追って行きたいと。

 

そして初回からなんですが、いきなり書籍の紹介。

まさしく本日1/10発売された、朝日出版社津田大介著『情報の呼吸法』。

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 まさに、雑誌のライターからキャリアをスタートし、今や「Twitter伝道師」の名をほしいままにする

津田大介氏。当ブログのタイトルのように、アナログ界とデジタル界をつなぐキーパーソンだと、管理人

は認識しています。

当書籍も、津田氏の来し方(Twitterでブレイクするまで)、行く末(全く新しい政治メディアを作りたい)

や、タイトル通り情報整理術についてなど多岐にわたる話題満載で、読者を飽きさせない作り。

津田ファンならずとも読んで損はないと断言します。

また、詳細未定ながら電子媒体でもリリースされる予定とのこと。その際もレビューしたいと思います。

ちなみに刊行記念イベントも行われるとのこと。

 

というわけで、第1回目の記事なんとか終了。

仕事でブログ記事作ったりする割には、色々な面で拙い出来ですが、今後も改善しながら継続するよう

努力します。